調剤薬局の役員報酬、決めるのはいつが正解?

調剤薬局を法人で運営している場合、役員報酬の決定時期を間違えると、税務上「損金にならない」→経費として計上できないという大きなリスクがあります。
役員報酬の決め方
原則は「事業年度開始から3か月以内」
役員報酬は、「定期同額給与」として毎月同じ金額を支給することで、法人の経費(損金)として認められます。ただし、そのためには期首から3か月以内に報酬額を決める必要があります。
例)4月決算の調剤薬局なら…
- 事業年度(通常は定款記載の会計期間):4月1日~翌年3月31日
- 役員報酬の決定期限:6月30日まで
この期限を過ぎてしまうと、たとえ支給しても経費にならない恐れがあります。
実務の流れ|どのように決める?
- 前期の決算が終わったらすぐ検討開始
- 株主総会や取締役会で役員報酬を決定
- 議事録を作成・保存(必須)
- 毎月同じ金額で支給開始
注意点|こんな変更はNG!
項目 | 内容 |
---|---|
支給額の途中変更 | 原則NG(税務上損金にならない) |
臨時改定 | 職務変更・大幅な業績変動などの合理的理由があれば例外あり |
支給時期のズレ | 遅れて支給した場合も、損金算入できないことがある |
調剤薬局ならではのポイント
- 保険調剤の収益は安定傾向にあるため、報酬の見積もりがしやすい
- 役員が薬剤師として現場に立つ場合も、給与ではなく役員報酬として処理
- 設備投資(分包機やレセコンなど)に資金が必要な年は、報酬を抑えるなどバランス調整が重要
まとめ
実際の役員報酬については以下のように規定されていますが、通常は決算後2カ月以内に定時株主総会で決定することが望ましいです。
ですので4月決算ならば6月に決定して6月分又は7月分から変更するというのが正しい方法になります。
- 役員報酬は期首から3か月以内に決定する
- 税務上の損金とするには「定期同額給与」のルールが必須
- 書類(議事録)を残し、変更があれば正当な理由を明記すること
お困りの際はご相談ください
当事務所では、調剤薬局の決算・税務サポートを多数行っております。役員報酬の設計や、税金とのバランスを含めたご相談も可能です。お気軽にお問い合わせください。