調剤薬局が税理士変更をスムーズに行う方法と注意点を解説。理由の伝え方、ベストタイミング、必要書類まで徹底紹介。

税理士の変更は、調剤薬局にとって大きな決断です。
契約や引き継ぎに不安がある方も多いですが、正しい手順とポイントを押さえればスムーズに進められます。
ここでは、税理士変更の理由の伝え方から、ベストタイミング、必要書類までをまとめました。
目次 ▲
税理士変更の理由は当たり障りなく
税理士変更の理由は、あえて本音を伝える必要はありません。
きっと今の税理士に対して不満や不信感があったこととは思いますが、それをそのまま伝えると、引き継ぎで協力が得にくくなる可能性があります。
ですので、できれば本当はこのままお願いしたいのだけれど、やむを得ずそうするという言い方が良いです。
最後にひとこと言ってやりたい!という調剤薬局様もいますが、前の税理士に聞かなければわからないことばどがでることもあります。終わり方は美しく終わる方が会社のためになります。
無難な理由の例
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親族や友人が税理士を開業して「どうしても」とのことだから・・
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薬剤師仲間との関係でそちらの税理士にお願いせざる負えない・・
契約期間と解約タイミングの確認
契約内容の把握
契約の解約条項をか事前に確認しましょう。
とはいえ、解約条項があったとしても翌月や当月末で解約できることも多いです。
また、税理士によっては「当月解約OK」という場合もあれば、その場で契約終了となることもありますのでびっくりされませんように・・
税理士変更のタイミング
法人税申告書提出直後や税務調査終了直後がスムーズです。
3月決算の法人なら5~6月頃の申告書提出直後が理想的です。
そのためには決算期内に新しい税理士と打ち合わせしておくことが良いでしょう。
避けたい時期
決算前の1〜2ヶ月(申告準備期間)や、12〜3月の繁忙期(多くの税理士事務所が手一杯。弊社は顧客数に上限があるためいつでもOKです)は避けたほうが無難です。
税理士変更で得られるメリット
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経営アドバイスや資金繰り改善の提案が受けられる
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クラウド会計やIT化への対応
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税務調査・融資対応のノウハウ
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顧問料・サービス内容の見直しによるコスト最適化
顧問料とサービス内容の見直し
複数の税理士事務所に相見積もりを依頼し、料金とサービスを比較します。顧問料の引き下げやサービス拡充が可能な場合もありますが、高品質なサービスを受ける場合は顧問料がやや高くなることもあるため、コスパを重視して判断しましょう。
引き継ぎで絶対に受け取るべき書類
最低限必要な書類
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過去3年分の申告書控え
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直近の総勘定元帳(またはクラウド会計の共有権限)
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e-Tax・eL-Taxの利用者識別番号と暗証番号
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直近の法定調書控え
追加で回収しておくべき資料
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決算書・試算表・仕訳帳
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減価償却資産明細・棚卸資産明細
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会計ソフトのデータ(CSV・Excel・PDF形式)
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請求書・領収書
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源泉徴収簿や源泉所得税納付書類
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労務関係書類
意外と抜けやすいポイント
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源泉所得税の納付を前の税理士が行っていたが、調剤薬局側が把握していないケース
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オンライン共有データのダウンロード期限切れによる資料不足
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新しい税理士が利用する会計ソフトに対応できるデータ形式で受け取ること
手続きの安全性を高める方法
契約解除の意思表示は口頭だけでなく文書(できれば内容証明)で通知しましょう。
また、新旧税理士との契約期間や業務開始・終了日を明確にし、税務申告や給与計算などの業務が空白期間なく引き継がれるようスケジュールを調整します。
税理士変更は難しくないが慎重に
税理士変更は想像よりも簡単に行えますが、安易な判断は避けるべきです。
迷っている段階であれば、まずは複数の税理士と面談して情報収集を行いましょう。
面談だけなら費用がかからない事務所も多く、比較の参考になります。
それでも迷う場合は変え時ではありませんので今の税理士と引き続き契約していく方が良いでしょう。
まとめ
調剤薬局にとって税理士は、経営と税務の両面で重要なパートナーです。
変更を検討する際は、理由や時期、引き継ぎ資料、契約条件を事前に整理し、関係をこじらせない形で進めることが成功のカギとなります。