調剤薬局専門の税理士ファーマシー会計事務所

給与と賞与の違い|調剤薬局経営者が知っておくべき源泉税・社会保険のポイント

調剤薬局を経営していると、スタッフへの給与や賞与の支給で「税金の計算はどう違う?」「社会保険の負担は?」と疑問に思う場面が出てきます。
特に「賞与は税率が高い気がする」という声はよく聞かれます。

本記事では、調剤薬局の経営者・薬剤師が押さえておきたい「給与と賞与にかかる源泉徴収・社会保険の違い」をわかりやすく解説します。

給与と賞与の基本的な違い

  • 給与:毎月支払う基本給や各種手当

  • 賞与:年1〜2回など特定時期に支払うボーナス
    この性質の違いにより、税金・社会保険の計算ルールも変わります。

源泉徴収(所得税)の計算方法

  • 給与:国税庁の「源泉徴収税額表」に基づき、扶養の有無や社会保険料額を考慮して計算。

  • 賞与:前月給与に応じて決まる税率を用いて一律計算。
    → このため、同額支給でも税額差が出ることがあり、「賞与の方が高い」と感じる原因に。最終的には年末調整で精算されます。

社会保険の計算方法

  • 給与:標準報酬月額に基づき、毎月同額の保険料。

  • 賞与:実際の支給額に保険料率を掛けて計算。支給額が多ければ保険料も高くなる。
    ※ 年4回を超える賞与は給与扱いになる場合があるため、回数にも注意。

実務上の注意点

  • 前月給与がないスタッフへの賞与支給時は、特例税率で計算。

  • 賞与は社会保険・所得税・雇用保険が控除されるため、手取りが少なく感じられることが多い。
    → 事前におおよその手取り額を伝えると従業員満足度の維持につながります。

まとめ

給与と賞与は計算方法こそ異なりますが、年間で見れば負担額の差は大きくありません。
賞与はモチベーション向上に有効ですが、社会保険料の会社負担を含めたコスト把握が重要です。
また、年間所得が増えると扶養・配偶者控除に影響する可能性があるため、年末調整や確定申告でのフォローも忘れないようにしましょう。

関連記事

オンライン調剤の消費税の扱い|...

調剤薬局のレセコンとクラウド会...

調剤薬局設立時の手続き|税務上...

調剤薬局における小規模企業共済...

調剤薬局の決算賞与|経費になる...

上部へスクロール