調剤薬局専門の税理士ファーマシー会計事務所

調剤薬局個人開業でよくある口座・クレジットカード管理の失敗例

調剤薬局を個人事業で開業したとき、口座やクレジットカードをどう使うかは日々の経営管理に直結します。
ところが、最初にきちんとルールを決めないと「家計と事業のお金がごちゃごちゃ」になり、申告や資金繰りで困ってしまうケースがよくあります。ここでは実際によくある失敗例を紹介します。

1. 家計と事業の入出金を同じ口座で管理

「面倒だから今までの口座で全部やってしまおう」とすると、

  • 売上入金と生活費の入金が混ざる

  • 経費と生活費の支払いが混ざる

  • 通帳を見てもどれが経費か分からない

という状態になり、確定申告の時に仕訳が大混乱します。税務調査でも「事業と生活費の区分が曖昧」と指摘されやすいため要注意です。

2. クレジットカードをプライベートと兼用

カードを分けずに使ってしまうと、

  • プライベートの買い物が仕訳に混ざる

  • 「この支出は経費?私用?」と毎回迷う

  • 会計ソフト連携が台無しになる

など、記帳作業の負担が増えます。
事業専用カードを作るだけで記帳効率は大幅アップします。

3. 現金管理が雑でレシートが行方不明

薬局では小口現金での支払いも多いですが、
「財布から出してそのまま」「レシートを無くした」というケースも少なくありません。

  • 経費計上できない → 利益が大きく見える → 税金が増える

  • 資金繰りの実態が掴めない

といった悪循環につながります。
小口現金出納帳をつけるか、なるべくカード・振込で処理する習慣を持つのがベストです。

4. 屋号付き口座を作ったものの不便で使わなくなる

「屋号付き口座が便利そう」と思って作っても、

  • 振込名義が結局「個人名」

  • ネットバンキングが使えないケースがある

  • 実際の運用は個人口座と変わらない

といった不便さから、結局使わなくなるケースもあります。
無理に屋号付き口座を作る必要はなく、個人口座を事業専用にするだけでも十分です。

まとめ

調剤薬局を個人で開業した際にありがちな失敗は、

  • 家計と事業を同じ口座で処理

  • クレジットカードを兼用

  • 現金管理が雑でレシートが散逸

  • 屋号付き口座を過信

といった点です。

最初に事業用口座・カードを分ける習慣を作れば、こうした失敗は防げます。小さな工夫が後々の申告・税務調査・資金繰りで大きな差を生みます。

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