調剤薬局における小規模企業共済と倒産防止共済の活用法

調剤薬局を経営していると、毎年の節税や将来の資金繰り対策に悩むことも多いのではないでしょうか。
そこで注目したいのが「小規模企業共済」と「経営セーフティ共済(倒産防止共済)」です。どちらも国が運営する制度で、うまく活用すれば税負担を抑えつつ将来に備えることができます。
小規模企業共済とは
小規模企業共済は、個人事業主や法人役員が退職金のように積み立てられる制度です。
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掛金:月1,000円〜7万円(全額所得控除)
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加入対象:個人事業主、法人の役員
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メリット:節税効果が高く、退職金準備や緊急時の貸付制度も利用可能
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注意点:短期間で解約すると元本割れの可能性あり
薬局を法人で経営していても、社長本人が加入できます。廃業や退任時に共済金として受け取れるため、将来の安心にもつながります。
経営セーフティ共済(倒産防止共済)とは
取引先の倒産による連鎖倒産を防ぐ目的の制度ですが、実務上は節税と資金積立の手段としても人気があります。
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掛金:月5,000円〜20万円(全額損金または必要経費)
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上限:最大800万円まで積立可能
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メリット:節税効果が高く、40ヶ月以上で全額解約可能。赤字年度に解約すれば課税回避も可能
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利用シーン:黒字のうちに積み立て、退職金支給や赤字年度に合わせて取り崩す戦略が有効
使い分けのポイント
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小規模企業共済 → 個人(役員)の退職金・将来資金対策
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経営セーフティ共済 → 法人の節税・内部留保代替
どちらも即効性というより、中長期で大きな効果を発揮する制度です。
導入を検討すべきケース
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毎年黒字が続いており、税金対策を検討している
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将来の退職金をしっかり準備したい
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資金繰りの不安に備えておきたい
まとめ
SNSや動画で紹介される節税商品はリスクが高いものも多いですが、小規模企業共済と経営セーフティ共済は制度の安全性・節税効果のバランスが優れており、調剤薬局経営者にとっては導入価値が高い選択肢です。