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調剤薬局にクレジットカードやQRコード決済は必要?導入メリットとデメリットを解説

調剤薬局でも「クレジットカードやQRコードで支払いたい」という患者さんが増えています。
ただし、薬局の立地や患者層によって導入のメリット・デメリットは大きく異なります。
ここでは、調剤薬局がキャッシュレス決済を導入する際に押さえておきたいポイントをまとめました。

クレジットカード決済のメリット

1. 患者さんの利便性向上

現金を持ち歩かなくても済むため、患者さんにとって安心で便利。
特に数千円〜数万円に及ぶ高額な薬代では「カード払いをしたい」というニーズが強くなります。

2. 売上機会の拡大

「カードが使えない薬局より、対応している薬局を選びたい」という患者さんも。
近隣の競合薬局がカード対応をしている場合は導入しないと不利になる可能性があります。

3. 会計処理の効率化

現金管理の手間が減り、売上データもデジタル化されるため経理処理がスムーズに。
レジ締めや釣銭準備の負担も軽減されます。

クレジットカード決済のデメリット

1. 手数料負担

カード会社への手数料は一般的に 3%前後
調剤報酬は公定価格なので値上げ転嫁できず、薬局側の利益が削られます。

2. 入金のタイムラグ

現金は即時入金ですが、カードは数日〜1か月後に入金されるため資金繰りに影響することがあります。

3. 高齢者層の利用が少ない

高齢者の多い地域薬局では利用率が低く、導入コストに見合わない場合があります。

QRコード決済のメリット

1. 若い世代に人気

PayPay、LINE Pay、楽天ペイなど、スマホひとつで決済できる点が支持されています。
ポイント還元を重視する患者層にも好まれます。

2. 導入ハードルが低い

専用端末が不要な場合もあり、導入費用はクレジットカード決済より低め。
小規模薬局でも比較的導入しやすい決済手段です。

3. キャッシュレス推進にマッチ

政府のキャッシュレス推進政策にも合致し、利用者が今後も増える可能性があります。

QRコード決済のデメリット

1. 利用者層が限定的

高齢者には浸透しておらず、利用率は若年〜中年層に偏ります。

2. 手数料はクレカと同等

QR決済も 2.5〜3.5%程度の手数料がかかり、利益を圧迫します。

3. 通信依存リスク

スマホや通信環境に依存するため、電波障害やシステム不具合で利用できないことがあります。

導入判断のポイント

  • 都会の駅前や商業施設内の薬局 → 導入推奨
     → ビジネスパーソンや子育て世代が多く、クレカ・QR決済ともにニーズ大。

  • 地方や高齢者中心の薬局 → 慎重に検討
     → 現金利用が主流で、キャッシュレス導入コストに見合わない可能性あり。

まとめ

調剤薬局におけるキャッシュレス決済は、

  • クレジットカード決済 … 高額処方や利便性アップに有効

  • QRコード決済 … 若年層・ポイント志向の患者に対応しやすい

とそれぞれ特徴があります。

最終的には、「薬局の立地と患者層を見極めること」が最重要。
👉 都会の駅前や商業施設内ならクレカ+QRの導入がおすすめ。地方の高齢者中心なら慎重に判断。

実際、弊社のお客様である調剤薬局様は都内が多いですがほとんど導入されています。
ですが郊外や地方では未導入ということも多いです。
いかんせん、想像以上にコストがかかります。
客層を見極めて導入することが必要ですね。

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