調剤薬局のキャッシュフロー管理の最強ツールは「通帳」

キャッシュフロー計算書を作ってみたけれど、正直ピンとこない…。
税理士から渡されたけれど「この資料をどう薬局経営に活かせばいいの?」と悩んだことはありませんか?
調剤薬局はレセプト請求による入金が2か月遅れるという特殊な収入構造を持っており、キャッシュフロー計算書や資金繰り表を精密に作っても、実務では役立たないケースが少なくありません。
また税理士である私自身はキャシュフロー計算書を自身で作っていませんし、作ったとしても有用に生かせる自信はありません笑
そこで私が提案するのは、「通帳をキャッシュフロー計算書にしてしまう」 というシンプルな方法です。
キャッシュフロー計算書はなぜ難しいのか?
キャッシュフロー計算書は「営業・投資・財務」の3区分で資金の流れを整理します。
しかし薬局経営者がこれを読んで判断するのは難しく、経営の現場では「残高がどう動いたか」だけが本当に必要な情報なのです。
資金繰り表を作っても意味が薄い理由
薬局で資金繰り表を作っても、
-
レセプト入金が2か月遅れる
-
前提データを細かく入れても、現金残高とズレる
-
更新の手間がかかる
といった問題が生じます。結局「現金の動きと違う」というギャップに苦しむのです。
通帳ひとつをキャッシュフロー計算書にする
だからこそ、通帳ひとつに資金をまとめるのが最強の方法です。
-
残高=今ある現金
-
1か月前との差額=実質のキャッシュフロー
-
窓口収入も必ず通帳へ入金し、全体を一元管理
これだけで、複雑な計算なしに資金繰りの全体像が見えるようになります。
クレジットカード明細のチェックは必須
薬局では仕入れや備品をクレジットカード払いすることも多いでしょう。
この場合、クレジットカード明細を毎月確認することがコスト意識の第一歩です。
「仕入れが思ったより膨らんでいないか」「小さな支出が積み上がっていないか」など、通帳だけでは見落としがちなポイントが浮かび上がります。
在庫表も忘れない
調剤薬局は医薬品の在庫が多く、資金を圧迫しやすい業種です。
在庫表を定期的に確認すれば、
-
仕入が過剰になっていないか
-
不要な在庫が積み上がっていないか
を把握でき、資金繰り改善につながります。
まとめ
キャッシュフロー計算書は難しく実務で使いづらいものですし、複数店舗を抱えるような調剤薬局であれば別の方面で有用になりますが、自身で作ったとしても労力のわりに得るものが少なく、また税理士に作ってもらったとしても、それを理解したとしても、それを有効に活用することはとても難しいです。
今回おすすめした通帳を最高のキャッシュフロー計算書として利用するのはその点、見やすく理解がしやすいです。
そはいえ、クレカ明細チェックでコスト意識を高め、在庫表で資金滞留を防ぐことはべっと必要ですが、調剤薬局経営では、これが最強の資金管理法です。