ファーマシー税理士事務所

【freee/MF対応】調剤薬局におすすめの会計処理フロー

調剤薬局の会計業務は、レセプト請求や薬品在庫の管理など、他の業種とは異なる特殊な処理が必要になります。
今回は、クラウド会計ソフト「freee」や「マネーフォワード(MFクラウド)」を使った、調剤薬局に最適な会計処理の流れについて解説します。

 

調剤薬局の会計処理の特徴

調剤薬局の経理処理には以下のような特徴があります。

・社会保険や国保に対するレセプト請求は入金が月遅れになる
・OTC(市販薬)販売の売上とレセプト収入の両方が存在する
・薬剤の棚卸資産が必要で、購入時に経費にはならない
・給与、社会保険料、源泉所得税などの人件費関連の処理が複雑
・固定資産(医療機器や社用車など)の管理も発生する

これらの特性を踏まえた会計フローを設計することで、ミスや漏れを防ぎ、経営判断に活かせる数字を作ることができます。

会計処理フロー(freee / MF共通)

1.取引データの取り込み
銀行口座やクレジットカードはクラウド会計と連携させ、自動で明細を取り込みます。
現金支出はレジ清算日報やエクセルで管理し、まとめて入力します。
レセプト収入は月遅れの入金が多いため、売上計上と入金時期をしっかり分けて処理することが重要です。

2.領収書やレシートの整理
領収書はスマートフォンで撮影するか、スキャンして会計ソフトに読み込ませます。
費用科目ごと(医薬品費、消耗品費、福利厚生費など)に整理して、正確に仕訳登録を行います。

3.人件費・社会保険料の処理
freee人事労務やMF給与などの給与計算ソフトと連携させると便利です。
社会保険料や源泉税は、発生時の負債計上と、実際の支払時の処理の両方が必要です。

4.棚卸資産(薬剤)の管理
期末には薬剤在庫の棚卸を行い、未使用分を棚卸資産として計上します。
薬剤は「使ったとき」に費用となるため、棚卸在庫を計上することが必要です。

5.固定資産の登録と減価償却
高額な医療機器や社用車などは固定資産として登録し、毎月自動で減価償却処理を行います。
freeeやMFでは自動償却機能があり、税務と会計のズレを防ぐことができます。

 

月次処理の進め方のポイント

月初にはまず、前月の取引明細を確認し、未登録の取引がないかチェックします。
その後、レセプト売上やOTC売上の確認、領収書の整理、人件費の記帳などを行います。
棚卸資産の管理は基本的に年1回(決算時)ですが、薬局によっては月次で確認する場合もあります。
月次処理を終えた後は、会計データを税理士と共有し、数字に異常がないか確認を行いましょう。

freeeとMFの違いと選び方

freeeはスマートフォン対応が充実しており、領収書の撮影や仕訳の自動化に強みがあります。
マネーフォワードは給与、請求、会計といった業務の一体管理が得意で、見やすい月次レポートが特徴です。
どちらのソフトも調剤薬局に対応していますが、事業規模や業務フローに応じて選ぶとよいでしょう。

 

まとめ

調剤薬局の会計処理で特に注意すべきなのは、売上が発生してもすぐに入金されない点です。窓口収入は問題ありませんが、入金ベースで売上計上を行うと2カ月分売上がずれることになります。

Freeeであれば2カ月先の入金時に発生日を発生月の末日とすれば自動的に売掛金計上されます。

また、薬剤の棚卸処理も決算時に重要なポイントとなります。
クラウド会計を正しく使いこなせば、経理の手間を減らしつつ、税務リスクを回避することができます。

freeeやマネーフォワードといったクラウド会計ソフトを活用すれば、業務の効率化だけでなく、経営の見える化も実現できます。

経営に集中するためにも、早めに自社に合った会計フローを整備していきましょう。

 

ファーマシー会計事務所においてはfreee及びマネーフォワードによる経理も対応しておりますのでお困りの際はお問い合わせください。

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