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【6月決算の調剤薬局向け】法人税・消費税など税金の年間スケジュールまとめ

調剤薬局を法人で運営していると、毎月の税金対応や提出書類に追われがちです。
とくに決算月によってスケジュールが大きく異なるため、事前の把握が非常に大切です。

この記事では、6月決算の調剤薬局を対象に、1年間の税金スケジュールをわかりやすく月別でご紹介します。

納税や申告のスケジュールを月別に表示

7月:決算処理・税理士とのやり取り

6月末で事業年度が終了したばかりのこの時期。
売上や経費、棚卸資産、役員報酬などを整理し、決算書の作成に入ります。
税理士としっかり連携して、8月の申告に向けた準備を進めましょう。

8月:法人税・消費税などの確定申告と納税【最重要】

6月決算の法人は、8月末までに以下の税金の申告・納付が必要です。

  • 法人税・地方法人税

  • 法人住民税・法人事業税

  • 消費税(課税事業者の場合)

この時期は1年で最も大きな納税額になることも多く、資金繰りにも注意が必要です。

9月:大きな税務対応なし

この月は、申告や納税の締切は特にありません。
年末調整の準備や節税の相談を始める良いタイミングです。

10月:税金の支払いは特になし

消費税の中間納付について「10月」と思われがちですが、6月決算の法人では11月納付が正しい時期です。

11月:消費税中間納付(該当法人のみ)

前期の消費税納付額が400万円を超える法人は、年3回の中間納付が必要になります。
この月はその**第1期(7月~9月分)**の納付時期です。

※中間納付が必要かどうかは、税理士や前期の申告書を確認しましょう。

12月:年末調整の準備開始

社員がいる場合は、扶養控除等申告書の回収や保険料控除証明の案内など、年末調整の準備を進めます。

1月:年始にまとめてくる税務処理

  • 1月20日:源泉所得税(7月〜12月分)の納付(納期の特例適用法人)

  • 1月31日:法定調書の提出(支払調書、源泉徴収票など)

  • 1月31日:償却資産税の申告(設備・什器がある場合)

この月は手続きが多く、毎年バタつくため早めの準備が重要です。

2月:法人税の予定納税・消費税中間納付(該当法人)

  • 法人税等の予定納税(第1期・第2期分を合わせて):2月末が納期限

  • 消費税中間納付(第2期):10月~12月分、年3回該当法人のみ

※予定納税の対象となるかは、前期の納税額によります(税務署から通知あり)

3月:税務的には落ち着いた月

この時期は申告や納税が少ないため、次年度の事業計画や設備投資の検討などに充てる余裕が持てます。

4月:納税なし、次回の中間納付に向けて準備

この月も納税は基本的にありません。
年3回の消費税中間納付のある法人は、翌月(5月)の納付に備える月と捉えておくと良いです。

5月:消費税中間納付(該当法人のみ)

  • 対象:1月~3月分の中間納付(年3回該当法人のみ)

  • 納付期限:5月末

消費税が多額の法人のみ該当します。該当しない法人はこの月の納税はありません。

6月:決算月

1年の締めくくりの月です。
売上や経費、在庫、減価償却資産の確認など、次の決算に向けて帳簿を整えます。

補足:予定納税と消費税中間納付の考え方

  • 法人税等の予定納税は、原則として2月のみです(6月決算の場合)
     └ 前期の納税額が20万円を超えると対象になります。
     └ 納税額の通知は税務署から届きます。

  • 消費税の中間納付は、前期の納税額に応じて必要となります。
    └ 一般的な調剤薬局では「年1回」または「不要」が多いです。
     └ 400万円を超えると「年3回」に該当し、11月・2月・5月に納付が必要です。

まとめ

6月決算の調剤薬局では、特に以下の時期に注意が必要です:

  • 8月末:法人税・消費税などの確定申告と納付

  • 1月:源泉所得税・償却資産・法定調書提出

  • 2月末:法人税等の予定納税(対象法人のみ)+消費税中間納付(該当法人)

  • 11月・5月:消費税中間納付(該当法人)

年間の流れを把握しておくことで、資金繰りや事務処理もスムーズになります。

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