【調剤薬局向け】分包機・オンライン資格確認端末は経費?固定資産?

調剤薬局に必要な備品として自動分包機・薬歴管理システム・薬品棚・などがあります。
今だとオンライン資格確認端末も必要です。
これらは初期導入時に大きな金額がかかるものは。すぐに経費にならず固定資産として減価償却という手続きを経て数年に分割して経費としていくこととなります。
今だとオンライン資格確認端末も必要です。
これらは初期導入時に大きな金額がかかるものは。すぐに経費にならず固定資産として減価償却という手続きを経て数年に分割して経費としていくこととなります。
本記事では、調剤薬局でよく使われる設備関係の固定資産について、耐用年数と税務上の取扱い(償却資産申告)を解説します。
よくある調剤薬局の設備と耐用年数
設備名 | 耐用年数 | 備考 |
---|---|---|
調剤台(ステンレス製等) | 15年 | 建具等に準ずる。木製なら8年も可。 |
自動分包機 | 10年 | 医療用機器に分類。100万~300万程度が多い。 |
薬品棚 | 15年 | 移動不可の棚なら建具扱い、可動式は備品扱いで8年。 |
薬品冷蔵庫 | 6年 | 冷蔵庫に準ずる。家庭用と同じ扱い。 |
POSレジ・調剤レセコン | 5年 | 電子計算機に該当。保守契約も別途注意。 |
自動薬歴システム(PC+サーバ) | 5年 | パソコン・サーバ類は「電子計算機」扱い。 |
オンライン資格確認端末 | 5年 | 顔認証機器等。補助金対象でも償却必要。 |
取得価額 | 会計処理の選択肢 |
---|---|
~10万円未満 | 消耗品として一括経費処理 |
10~20万円未満 | 一括償却資産(3年均等償却) |
中小企業で30万円未満 | 少額減価償却資産の特例(即時償却)※条件あり |
償却資産税の対象となるものは?
原則として、賃貸物件内の設備で法人が所有しているもの(動産)は「償却資産税」の対象になります。以下のようなものは注意が必要です。
償却資産税は抜け漏れの多い税金のひとつです。適正に申告を行いましょう。
償却資産税の対象例
-
自動分包機
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薬歴システムのサーバ・端末
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POSレジ
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冷蔵庫
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薬品棚(据付式も含む)
対象外の例
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建物本体(家屋として固定資産課税される)
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ソフトウェア(別途無形固定資産扱い、原則対象外)
-
自動車
一括償却や少額資産の特例は?
分包機やレセコンは基本的には固定資産として数年間にわたり減価償却費として経費にしていくことになりますが、少額なものについては以下のような扱いが可能です。
取得価額 | 会計処理の選択肢 |
---|---|
~10万円未満 | 消耗品として一括経費処理 |
10~20万円未満 | 一括償却資産(3年均等償却) |
中小企業で30万円未満 | 少額減価償却資産の特例(即時償却)※条件あり |
オンライン資格確認端末も固定資産に?
2023年以降、多くの調剤薬局で導入が義務化されたマイナンバーカードによる保険証確認用の端末です。主に以下の構成になります:
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顔認証付きカードリーダー
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モニター(患者確認用)
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通信機器(VPNルーター等)
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認証用アプリ・ソフトウェア
これらは国の補助金対象であるものの、固定資産としての会計処理が必要です。償却資産税の対象にもなりますので、「無料だから関係ない」と思わず、税務処理を怠らないよう注意が必要です。
まとめ
調剤薬局にとって、高額な設備投資=減価償却と償却資産税の対象です。特に「自動分包機」や「薬歴システム」は金額も大きく、初年度から経費化できないことが多いため経費が計上されず思った以上の利益がでてしまい、事業計画や資金繰りにも影響を与えます。設備投資は一時にキャッシュがでていく一方で経費になるのは数年(上記の減価償却)となりますからキャッシュの増減と利益額が一致しません。
つまり、利益に対して法人税や所得税が課税されますからキャッシュベースで資金がマイナスなのに税金が課税されるという事態が起こりますので注意しましょう。
税理士にとっては、設備ごとの耐用年数と、税務・償却資産の両面からのアドバイスが重要です。もし開業時の設備計画や固定資産の整理についてお悩みの方は、専門家に早めにご相談ください。