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調剤薬局のパートスタッフが「残業したら扶養を外れる」と言ってシフトに入れない問題、2026年4月から変わります

「繁忙期に残業をお願いしたいのに、扶養が心配だと断られた」

調剤薬局の経営者・管理薬剤師の方から、こんな声をよく聞きます。処方箋枚数が増える時期や、スタッフが急に休んだとき、調剤事務やパート薬剤師にもう少し動いてほしい場面は必ずあります。しかし扶養の壁がネックになり、現場が回らないというケースは少なくありません。

2026年4月から、この問題を和らげる新しいルールが始まっています。

何が変わったのか

これまでの扶養認定は、実際の収入実績や将来の見込み額をもとに判断されていました。繁忙期の残業や急なシフト増加で年収が130万円を超えると、扶養から外れてしまうリスクがあったため、スタッフ側が働く時間を自主的に調整するという状況が生まれていました。

2026年4月からは、判定の基準が**「労働条件通知書(雇用契約書)に記載された内容」**に変わりました。

具体的には、契約書に明記された時給・所定労働時間・所定労働日数から年収を計算し、その金額が130万円未満であれば扶養と認定されます。残業代は原則として年収計算に含まれません。

調剤薬局の現場で何が変わるか

調剤事務スタッフを例に考えてみましょう。

  • 時給1,200円、週25時間勤務
  • 契約上の年収:約156万円…ではなく、実際には週25時間×52週×1,200円=約156万円となり、これは130万円を超えるため扶養対象外です

では週20時間勤務のスタッフなら、

  • 時給1,200円、週20時間勤務
  • 契約上の年収:約125万円(130万円未満)
  • 繁忙期の残業代:年間10万円

以前のルールでは実際の年収が135万円となり扶養を外れる可能性がありましたが、新ルールでは残業代は判定に含まれないため、扶養にとどまれます。

月末の処方箋集中や、インフルエンザシーズンの突発的な繁忙など、調剤薬局特有の波がある業務において、「残業するかどうか」をスタッフが収入で悩まなくてよくなる点は大きな変化です。

注意すべき落とし穴

新ルールを活用するには、労働条件通知書がきちんと整備されていることが前提です。

時給・所定労働時間・所定労働日数が明記されていない契約書では、新ルールによる判定ができません。「採用時に口頭で説明した」「以前の書類をそのまま使っている」という場合は、この機会に見直しが必要です。

また以下の点にも注意してください。

  • 契約と実態が大きく乖離している場合は認められない:所定労働時間を意図的に少なく記載するなど、実態と大きくずれた契約書は認められません
  • 給与収入のみの方が対象:副業収入や年金収入がある場合は新ルールの対象外です
  • すでに扶養に入っているスタッフへの適用は年末の検認から:多くの保険者が10〜12月頃に確認を行うため、実質的には2026年末から順次適用されます

今すぐ確認しておくこと

  1. 調剤事務・パート薬剤師全員の労働条件通知書を確認する:時給・所定労働時間・所定労働日数が正確に記載されているか
  2. 契約内容と実際の勤務実態が一致しているか確認する:実態と乖離していると新ルールが使えないだけでなく、労務トラブルの原因にもなります
  3. スタッフへの周知を行う:新ルールを知らずに働き控えを続けているスタッフがいるかもしれません。「残業しても大丈夫になった」と伝えるだけで現場が動きやすくなります

まとめ

扶養の判定基準が変わったことで、繁忙期に残業をお願いしやすくなりました。ただし、その恩恵を受けるには労働条件通知書の整備が欠かせません。書類が整っていない薬局は、新ルールを活用できないまま同じ悩みを抱え続けることになります。

労働条件通知書の整備や、スタッフへの説明の仕方でお困りの場合は、お気軽にご相談ください。

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