調剤薬局の薬剤師がクラウド会計ソフトで記帳するコスパは?
「少しでも税理士費用を抑えたいから、会計ソフトへの入力(記帳)は自分でやろう!」
そう考えている調剤薬局の経営者(管理薬剤師)や、医療系ビジネスのオーナー様はとても多いです。
しかし、結論からお伝えすると、「自分で入力しても、トータルの費用は安くならない(むしろ高くつく)」ことがほとんどです。
社内に専門の経理スタッフがいる場合は別ですが、経営者様が自ら貴重な時間を割いて入力を行うメリットは、正直に言ってひとつもありません。
今回は、薬局経理ならではの「自社入力で逆にコストが高くなる理由」や、知っておくべき業界の裏話、そして記帳をプロに任せるべきメリット・デメリットを分かりやすく解説します。
目次 ▲
調剤薬局の自社入力が「安くならない3つの理由」
ITの世界でよく、「素人が書いた複雑なプログラムコードを修正するより、最初からプロが書いた方が速い」と言われますが、会計も全く同じです。
特に薬局の会計は、調剤報酬の入金、医薬品卸への支払い、在庫(棚卸)の処理など、特有の複雑さがあります。知識がないまま自分で入力を進めると、以下のような「目に見えないコスト」が発生します。
薬局特有のミスを直す方が時間がかかる
国保連や支払基金からの入金、窓口収入の処理、消費税の非課税売上(保険調剤)と課税売上(OTC医薬品やサプリ販売)の区分など、薬局経理には専門知識が不可欠です。
これらを間違えたまま入力されたデータを、税理士側が一つひとつ紐解いて修正(デバッグ)していくのは、ゼロからプロが記帳するよりも遥かに手間がかかります。そのため、結果として「修正費用」や「監査報酬」が上乗せされてしまいます。
薬剤師の時間という最大の見えないコスト
慣れない会計ソフトと格闘したり、エラー画面の前で悩んだりする時間に「毎月5時間〜10時間」使っているとしたら、その時間でシフトに入ったり、店舗展開の準備をしたり、患者様へのサービス向上に充てた方が、店舗にとってはるかにプラスになるはずです。
会計ソフト代が自己負担
現在、主要なクラウド会計ソフトの法人プランは月額5,000円〜8,000円(年間で約6万〜10万円)ほどかかります。自分で入力する場合、このソフト代は当然自社で全額負担しなければなりません。
一方、ファーマシー会計事務所に記帳を丸投げしていただける場合、この会計ソフト代は原則「不要(当事務所が負担)」です。
つまり、自分で入力しようとすると、「ソフト代(固定費)」+「自分の作業時間」+「間違えた時の修正費用」がトリプルで発生するため、費用を抑えるどころか大赤字になってしまうのです。
コラム:「自分で記帳すれば安くしますよ」という税理士の罠
ここで少し、業界の裏話をお話しさせてください。 ネットを見ていると、たまに「自分で記帳してくれたら、その分顧問料をお安くしますよ!」という税理士事務所を見かけることがあります。
「ほら、やっぱり安くなるじゃないか」と思うかもしれませんが、実はここには2つの大きな罠が隠されています。
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罠①:元々が「割高な見積もり」になっているケース 最初から値下げを前提とした高い見積もりを提示しておき、「自分でやるなら引きますよ」という単なる営業テクニック(ポーズ)であるパターンです。これでは実質的に得をしていません。
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罠②:中身をほとんどチェックせずに申告しているケース これが一番恐ろしいのですが、安くする代わりに、お客様が入力したデータを「プロによる精査(デバッグ)」をほぼ行わず、そのまま横流しで申告してしまう事務所が存在します。 調剤報酬の処理や医薬品の在庫処理が適当なまま申告されると、数年後の税務調査で一発アウトになり、莫大な追徴課税を払う羽目になるのは経営者様ご自身です。
「社内に優秀な経理担当者がいて、完璧な帳簿を作れる」という例外を除き、基本的には「自分で記帳したからといって、正当な理由で安くなることはない」というのが、会計業界のリアルな現実です。
調剤薬局の記帳をプロに任せるメリット
社内に専任の経理担当者がいる場合を除けば、最初から税理士事務所へ任せる(記帳代行を利用する)方が、薬局経営にとってメリットしかありません。
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トータルコストを大幅に削減できる 毎月のソフト代(5,000円〜8,000円)が浮くだけでなく、経営者自身の時間が100%店舗運営や本業に使えます。
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税務リスクを最小限に抑えられる 税務調査で最も突っ込まれやすい、保険収入の計上時期のズレや消費税の判定ミスを最初から防ぎます。
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正確な数字で融資や経営判断がスムーズに プロが毎月正しく処理した「生きた財務データ(試算表)」が手に入るため、「今月の医薬品の原価率は適正か」「新店舗を出すための銀行融資に耐えられるか」を正確かつスピーディに判断できます。
記帳を任せるデメリットと、その対策
もちろん、全てを丸投げすることによるデメリットも存在します。ただし、これらは対策次第で解決可能です。
数字への意識が薄れるリスク
すべて任せきりにすることで、薬剤師が「店舗の数字」に関心を持たなくなってしまうケースがあります。
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【対策】 ファーマシー会計事務所では、ただ記帳を代行するだけでなく、完成した試算表をもとに「今月はどうだったか」「経費や原価のバランスは適正か」を経営者様と一緒に分析する時間を大切にしています。数字を見る习惯はしっかり身につきますのでご安心ください。
資料提出の手間とタイムラグ
領収書や通帳コピーをまとめて郵送する手間や、試算表ができあがるまでに時間がかかるという点です。
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【対策】 最近の会計ソフトは進化しています。インターネットバンキングやレセコンデータとの連携、スマホで領収書をパシャリと撮影して共有するだけで、自動でデータが連動する仕組みを導入できます。「紙をまとめて送る面倒な作業」は最小限に抑えられます。
薬剤師の仕事は記帳ですか?それとも薬局経営ですか?
社内に経理の専門スタッフ(身内や従業員)がない限り、薬剤師が自らが会計ソフトを契約して向き合うメリットは、正直に言って一つもありません。
餅は餅屋、会計は会計のプロに任せていただき、経営者様は「患者様に向き合う時間」や「薬局を成長させるための時間」に100%集中する。これこそが、薬局を一番安く、そして最も健全に成長させる裏ワザです。
「うちの薬局の場合はどう進めるのがベスト?」と気になった方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください!