調剤薬局専門の税理士ファーマシー会計事務所

調剤薬局でタイミーはありか?人材不足時代のスポットワーク活用法

「急に受付スタッフが休んだ」「繁忙期に人手が足りない」
そんなときに役立つのが、飲食業界などで広がっているスポットワークアプリ「タイミー」などのサービスです。
調剤薬局でも導入を検討する声が出てきていますが、果たして経営的に「あり」なのでしょうか?
薬局経営者の視点でメリットとリスクを整理してみましょう。

経営者にとってのメリット

  • 人件費を固定費化せず柔軟に対応できる
    常勤やパートを増やさず、必要なときだけ人材を確保できる。

  • 採用コストの削減
    求人広告や面接に時間をかけずに即戦力を呼べる。

  • 繁忙期・欠勤対応がスムーズに
    花粉症シーズンやインフルエンザ流行期など、短期的な人材ニーズに即応可能。

経営上の注意点

  • 業務範囲の制限
    調剤や投薬は薬剤師資格が必要。スポット人材に任せられるのは受付・清掃・棚卸などの補助業務に限られる。

  • 教育コストと現場負担
    初めての人に短時間で業務を説明する必要があり、マニュアル整備がないと現場が混乱する。

  • 個人情報リスク
    保険証や処方せんを取り扱う現場で、守秘義務を徹底しないとトラブルになりかねない。誓約書や業務分担が必須。

  • 労務管理リスク
    勤怠管理・社会保険加入の要件を無視すると、労基署対応やコスト増のリスクがある。

経営的に「あり」にするための工夫

  • 業務を切り分ける
    「受付・清掃・雑務」など非専門領域だけ任せる。

  • マニュアルを整備する
    説明コストを最小化し、どの人でも対応できる仕組みを作る。

  • 契約書・誓約書を用意する
    個人情報・守秘義務に関する取り決めを必ず文書化。

まとめ

調剤薬局におけるタイミー利用は、

  • 固定費を抑えつつ柔軟に人材確保できる「経営メリット」がある一方で、

  • 教育コスト・守秘義務・労務管理という「経営リスク」が存在します。

「調剤やレセプト業務には使わず、補助業務に限定する」ことで、薬局経営にプラスになる活用が可能です。

関連記事

第5回:調剤薬局における経費の...

調剤薬局の税務調査 やさしくわ...

調剤薬局経営者必読!消費税が課...

棚卸(医薬品在庫)で失敗しない...

調剤薬局において小規模企業共済...

上部へスクロール