第7回:調剤薬局で活用できる補助金・税制優遇制度 (はじめての薬局税務シリーズ)

補助金・税制優遇を活用するメリット
調剤薬局の経営では、補助金や税制優遇を上手に使うことで、資金繰り改善と節税の両方を実現できます。開業間もない薬局でも利用できる制度は多く、知っているかどうかで経営に大きな差が出ます。
小規模薬局が利用できる代表的な制度
-
小規模企業共済
経営者の退職金制度。掛金は全額所得控除となり、将来の備えにもなる。 -
経営セーフティ共済(倒産防止共済)
取引先の倒産リスクに備える制度。掛金は全額損金算入でき、節税効果が高い。 -
少額減価償却資産の特例
30万円未満の資産は即時経費化が可能(年間300万円まで)。パソコンや小型の医療機器などに活用しやすい。 -
青色申告特別控除(65万円控除)
複式簿記と電子申告が条件。個人事業者限定で利用可能。
調剤薬局でよくある補助金の活用例
-
オンライン資格確認端末の導入補助金
-
IT導入補助金(会計ソフト・POSレジの導入支援)
-
医療機器関連の補助金(地域医療体制の強化目的など)
👉 これらの補助金は「後払い」方式が多く、自己資金を用意してから申請するのがポイントです。
利用時の注意点
-
申請期限と要件を確認すること
-
補助金は年度ごとに公募されるため、タイミングを逃さないことが重要。
-
-
補助金収入の税務処理
-
補助金は原則として収入計上が必要。
-
資産購入の場合は「補助金充当額を除いた自己負担分」を固定資産として計上。
-
-
免税事業者でも活用可能
-
開業間もない薬局は消費税免税のことが多いが、補助金・共済制度は免税の有無に関わらず利用できる。
-
まとめ
-
小規模薬局でも使える補助金・税制優遇制度は多数ある
-
共済制度は節税と資金準備を兼ね備えた有効な手段
-
補助金は「収入」として計上するルールを忘れずに
-
制度を上手に活用すれば、開業間もない薬局でも安定経営に近づける