第3回:調剤薬局の固定資産の扱いと税務上の注意点 (はじめての薬局税務シリーズ)

固定資産とは?
調剤薬局では、分包機や資格確認端末など高額設備は固定資産として計上し、減価償却で経費化します。
代表例:分包機、薬棚、資格確認端末、車両、PC・POSレジなど。
固定資産と消耗品の区分
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10万円未満:消耗品費として経費
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10万円以上30万円未満:少額減価償却資産の特例で即時経費化(年間300万円まで)
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30万円以上:固定資産として計上、耐用年数で減価償却
開業直後は免税事業者であることが多い
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開業1期目・2期目は消費税免税が一般的
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免税期間中は分包機や資格確認端末を購入しても、消費税の仕入税額控除はできない
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ただし、3期目以降に課税事業者となった場合は、購入時期や課税方式によって消費税負担に差が出る
👉 免税期間中でも、将来の課税開始に備えて「資産台帳に正しく記録しておくこと」が重要です。
ケースによっては、課税事業者を選択して還付を受ける方が良いこともありますが調剤薬局に限ってはほとんどありません。
分包機・資格確認端末の扱い
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分包機は数百万円規模 → 固定資産、耐用年数6年程度
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補助金を受けて資格確認端末を導入 → 補助金部分は資産計上せず、自己負担分のみ計上
注意点
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資産台帳の整備:取得日・金額・耐用年数を記録
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リース契約か購入かの区別:処理方法が異なる
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消費税方式の影響:簡易課税では控除できず、本則課税なら控除可能(課税事業者になってからの論点)
まとめ
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開業直後は免税が多く、固定資産購入時の消費税控除はできない
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免税期間中でも正しい資産計上が必要
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課税開始後に備え、固定資産の管理と消費税方式の選択を準備しておく